女は、度胸。

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「実は……彼は、ゲイなんです」  はぁっ!?ゲイって……男性が男性を好きなアレ? 私は、唖然とする。まさかの展開だ!! 「裏社会でもそれは、有名な話でして。  彼は、好んだ男を見つけると、どんな手を使っても手に入れて服従させるとか……。  もし我々の若……葵様を気に入ったとしたら自分のモノにする気かもしれませんね」  えっ?そ、それってつまりは……。 私は、よくないことを想像してしまった。  男がタイプと言うのなら天使のような鬼龍院さんが狙われないのは逆に不自然だ。  裏社会とか規模とかよく分からないけど鬼龍院さんが危ない!!  だとしたら、こうしてはいられない。助けなくちゃあ……!! ヒモをほどいてもらうと私は、立ち上がった。 「大河内組って事務所は、何処ですか!?  それか実家とか行きそうな場所は何処? とにかく手分けして捜しましょう!!」 「えっ?上紗さんもですか?  そういうのは、我々に任せてあなたは、帰った方がいいですよ。これは、我々の……」 「こんな大変な時に帰ってられますか!!  鬼龍院さんの身が危険なのよ!? 一秒の猶予も許されないわ。いいから捜すわよ!」 「は、はい。姐御!!」  若干姐御という言葉に疑問を抱いたが、そんなことを考えている暇はない。  何が何でも鬼龍院さんを見つけて阻止しないと。 あんな悔しい思いは二度としたくない。  私は、鬼龍院さんの部下を徹底的に調べさせて大河内組の事務所を探させた。  するとよく出入りしている会員制のクラブを見つけた。  もしかしたらあそこに居るかもしれない。 私は、望みをかけて重勝さんの車で、そのクラブに向かった。  乗り込んでもいいように金属バットとヘルメットを持ち込んだ。 「上紗さん……お気持ちは分かりますが、やはりここは、我々に任せた方が?  あなたは、カタギ。乱闘になったら危険ですし」 「いいえ……私は、大丈夫です。 あんな悔しい思いをするぐらいなら私の力で助けます!」
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