女は、度胸。

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女は、度胸。

 いや。どう考えても悪いでしょーが!! 私は、思いっきりツッコミたくなった。  それだと万が一私が助かったとしても鬼龍院さんに対する安全性の保証がない。  そんないかにも怪しい取り引きなんて信用出来ないわよ! 「分かった。それに従おう……」  えっ?ちょっと鬼龍院さん!? そんなのダメよ……絶対に罠に決まっているわ!!  なんとか伝えようとするが口を塞がれているため伝えることも出来ない。ジタバタするが動かない。  その間に大河内って人は、ニヤリと笑うと部下に指示を出して鬼龍院さんを案内させた。  ダメ……行かないで!! 私は、涙を溜めながら必死に言おうとする。  すると鬼龍院さんは、こちらをチラッと見た。 言葉に出さなかったが申し訳なさそうな表情をする。  巻き込んだことに謝りたかったのかもしれない……。  そのまま車を乗せられて行ってしまった。 掴まえていた部下も行ったのを確認すると私を置いて行ってしまった。 私は、1人残された。  しばらくすると慌てたように鬼龍院組の部下と重勝さんが倉庫に入ってきた。遅いよ……来るのが。  私は、泣き崩れていた。 「すみません……上紗さん。  若が何も言わずに飛び出すので慌てて追いかけて来たのですが……若は?」 「連れて行かれました……大河内組の若頭に」  結局私は、何も出来なかった。 悔しい……凄く悔しい。  危ないと分かりながらも私を助けるためにあえてそれに従ってくれた鬼龍院さん。  それに対して自分は無力だった。 涙を流していると重勝さんは、驚いた表情をした。 ……というよりも青ざめた表情になっていた。 「大河内組の若頭って……まさか大河内幸也ですか!?」 「は、はい。そうですが……?」  えっ?まさか……そんなにヤバい奴なの? 重勝さんの表情からして普通ではないと悟った。  もしかして鬼畜とか人を殺したことがあるとか? 「大河内組は、我々より規模が小さいですが裏社会でも、かなりの情報通として有名な組織です。  その中でも大河内組の若頭である幸也さんは、実力もあるのですが変な噂がありまして……」 「な、何ですか!?それは……」
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