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「もう朝ですよっ」
通学路を歩みながら、私は親友の真琴(まこと)にモーニングコール。
『やっぱ今日無理だわ……』
そう言ってむにゃむにゃと電話を切ってしまう真琴に
「やっぱり3時はやりすぎたか」
そう呟きながら、昨夜のクラブ遊びを思い出す。
そういえば真琴お持ち帰りされてたもんね。
相手、結構イケメンだったなぁ。
体にピタリと張り付いたトップスから浮き出る筋肉が美味しそうだった――、なんて朝っぱらから煩悩まみれ。
携帯を鞄にしまいながら歩を進めると、最寄り駅は人でごった返している。
『制服のスカートは膝丈が清楚っぽくてモテる!』っていうけど、実際に男の視線を集めるのは、清楚な丈なんかじゃない。
私が短いスカートの裾を翻すと、男は目を光らせる。
シャツのボタンをギリギリまであけて谷間を見せ付けると、散歩中のおじいちゃんだって振り返る。
派手な化粧に女の人の視線は痛いけど、まぁ気にしない。
私がちょっとサービスするように足を弾ませて歩くと、みんなバカみたいに目を見開いちゃっていつも笑いが出そうになる。
毎朝恒例の視線を楽しみながら駅前を通り過ぎ、そこから3分歩いた先にある高校の門をくぐると、人気のない校舎が私を出迎えた。
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