Prelude -前奏曲-

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この高校はどういうわけか、私みたいな頭の悪い女子が通う家政科と、県下一の進学率を誇る普通科で成り立っている。 だから普通科の人はいつも 「バカのクセに自分たちと同じ制服を着るな」 って影でコソコソいってるけど、私達からしたらそのダサイ着こなしの制服をNo.1に導いてあげたんだから感謝して欲しいくらい。 スカート丈は膝よりはるか下。 シャツの裾はキッチリIN。 髪の毛だって真っ黒。 ボーボー眉毛に、ニキビもクマも隠さないスッピン面。 普通科はそんな子ばかりだから、私達と仲が悪いのは仕方ないのかもしれない。 とはいえ、彼らの学力は本当に凄いと思ってる。 でも、その学力をキープする為に勉強しかしてないんだろうなって思うと。 やっぱりバカだなって……。 日が昇るまで鳴り止まないクラブミュージック。 尽きることのないアルコール。 腰をくねらせ喘ぐラブホのベッド。 ゴミを漁るカラスにさえキスしちゃいたいようなテンションで朝日を仰ぐ――。 そんな面白い世界を知らないなんて「可哀想」としか思えない。
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