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やがて、宮下には欠勤が目立つようになった。仕事中は不安で、怖くて仕方がないのだ。もう、小夜子にイタズラを仕掛けている場合ではなかった。そんな余裕は一切なくなっていた。
程なく宮下は退職した。一切の手続きを放棄し、逃げるように病棟を去った。
その後、彼がどうなったのか。生きているのか、死んでいるのか、誰も知らない。
ただ、それからしばらく経ったころ――
「あら、サヨちゃん今日はジュース飲むの?」
佐倉が声をかけると、小夜子は嬉しそうに頷いた。
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