3時のベルが鳴る前に

7/8
前へ
/8ページ
次へ
やがて、宮下には欠勤が目立つようになった。仕事中は不安で、怖くて仕方がないのだ。もう、小夜子にイタズラを仕掛けている場合ではなかった。そんな余裕は一切なくなっていた。 程なく宮下は退職した。一切の手続きを放棄し、逃げるように病棟を去った。 その後、彼がどうなったのか。生きているのか、死んでいるのか、誰も知らない。 ただ、それからしばらく経ったころ―― 「あら、サヨちゃん今日はジュース飲むの?」 佐倉が声をかけると、小夜子は嬉しそうに頷いた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加