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「私は皆さまと同じデスゲームのプレイヤーとして、ここに運ばれて来たものです。皆さまと同じ共通点を持った人間ということになります。私は道田時宗というものです」
私はこの場所に連れて来られたプレイヤー諸氏に、自己紹介をした。
「道田さんか。あんた詳しいようだが、このデスゲームのことを何か知っているのか?」
「皆さまが連れて来られたこの場所は、警察や自衛隊が救助に来られない本土から離れた無人島だと思います。このデスゲームの主催者は私を含め皆さんの個人情報に詳しいようです。即ち私たち全員と面識がある人物にして、ある程度の経済力もある」
デスゲームのプレイヤー諸氏には、状況の把握が必要。私はこれまでのデスゲーム参加の経験から知り得た情報をプレイヤー諸氏に説明した。
「だから、俺たちの共通点を知っていると?」
「そして、皆さんに手を上げることが出来ない人物でしょう。程なくしてゲームマスターと名乗る人物からアナウンスがかかるでしょう"一人になるまで殺し合って、最後の一人になるとゲームは終了する"と」
「ミナサン、目ガ覚メマシタカ? コレカラミナサンニハ、殺シ合イヲシテモライマス」
「はっはっはっは! ほらね」
あまりにも芸も捻りもない予想通りのアナウンスに、私は笑いを押さえられなかった。報告の義務を怠った時点でこのデスゲームの持ち点は半分を下回ったが、今ので更に減点された。マイナスをきってしまうとデスゲーム強制終了の赤ランプを点滅させなければならない。
「ミナサンノ前二アル、鞄ニハ武器ガ入ッテマス。ゴ自由ニオ使イ下サイ」
ゲームマスターはアナウンスで監禁場所に武器があることを説明した。
「ゲームマスターさん、幾つか質問があるんですが、宜しいでしょうか?」
デスゲームで使う武器に関しては、質問しなければならない。武器の管理に対してのことだ。
「......ナンダ?」
「用意された武器が万が一、破損した場合はスペアなどは用意して頂けるんでしょうか?」
「スペアだと?」
恐らく用意した武器が破損するアクシデントは想定外のことのようだ。用意した武器がデスゲーム中に破損しないとでも思ったのか? 武器に関する危機管理はまるで杜撰だな。スペアは用意していない。
「破損したら、私たちは殺し合うことが出来ませんよ。それで殺し合えと? よくそれでゲームマスターが務まりますね」
「キサマ......」
「次の質問します。もし、私たちがここで集団自殺した場合は、デスゲームはどうなりますか?」
「集団、自殺ダト?」
「デスゲームには集団自殺してはいけないルールは課せられていませんよね? まさかデスゲームの参加者が全員あなたの指示に従うと誤解していませんか。お言葉ですが、報告の義務も守れない、危機管理も出来ないひとの指示には従えません」
「スキニシロ。キキタイコトハ、ソレダケカ?」
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