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別に教えるくらい構わない。軽い気持ちで引き受けた私だったのだが、誠くんとその一味とは、不思議なくらい馬があった。
私が女子にしては珍しく、RPGなどのゲームをやることや、あまり恋愛に興味がなかったため可愛こぶったりしなかった事がよかったのかもしれない。
そしてなんとなく、誠くんのことが気になるなあ、これって初恋なのかなあった思っていた頃ーー。
なんと彼の方から私に告白してきたのだ。信じられなかった。それまで、男の子に恋愛対象として見られたことなんて皆無だったから。
それどころか、罰ゲームで告白されたことがあったし、私は男の子にとって「神坂? いやー、あいつはないなあ」と、言われてしまうような存在だったのだ。
しかし誠くんは、戸惑う私に何度も好きと言ってくれて、じっと見つめてくれて。恐る恐るながらも、私は彼の胸に飛び込んでみることにしたのだった。
そして、誠くんは常に優しくて、爽やかに笑っていて、世の中の汚いことなど微塵も存じ上げていないような穢れのない少年で。
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