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今は、確かに私は樹さんに愛されている。そして私も、心から、死ぬほど、樹さんを愛している。
毎日そんな幸せな状態を実感出来る環境にある私の執筆作業は、面白いほどスムーズに進むのだった。
「締切、まだまだ先だよな」
すると樹さんが少しニヤッとして言ったので、私は眉をひそめてこう答えた。
「うん、そうだよ」
「じゃあちょっとくらい休憩しようよ」
「え……? まあいいけど」
考え無しに返事をしてしまう私。ーーすると。
「よし、じゃあ行こう。ーー寝室」
そう言いながら、私を椅子から強引に立たせて、軽々と抱っこしてしまう。その瞬間、彼の言う「休憩」の意味を理解し、私は青ざめた。
「は、はあ!? ちょ、ちょっと! 待って!」
「待たない。せっかくの休みなんだし千春も休もうよ」
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