オレンジの飛翔体

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オレンジの飛翔体

 外部攻撃を受ける前、相模湾上空を安定飛行する123便の機内。  機体後部の座席に座る乗客Aさんは、手持ちのカメラでなにげなく、機体の外を撮影した。  後日現像されたフィルムには、窓枠の向こうの空に、黒い点のような物が写っていた。  黒い点がフィルムのゴミなどでは無く、飛翔体らしいことは解析により判明したが、では、航空機と同じ高度を飛ぶこの物体は何だ。  さらに映像の解析を行ったところ、丸みのあるオレンジ色の物体が、123便に向けて飛翔しているのではないかとの結論に至った。  では、オレンジ色の飛翔体とは、いったい何なのか?  事故当日、相模湾で試運転中の新型護衛艦「まつゆき」は、同時に、無人標的機による標的訓練も行なっていた。  無人標的機とは、標的訓練用に飛ばす小型の飛行機のことで、無線操縦により飛行する。 つまり、撃墜の的として飛ばす小型飛行機だ。 その機体は視認性を高めるために、鮮やかなオレンジ色で塗装されている。  もしも、この無人標的機が誤って日航123便に追突し、機体の一部を破壊していたのなら、高浜機長が発したスコーク7700は、正しい判断だったことになる。まさしく、要撃による非常事態だ。  回収された機体の残骸から、日航123便は垂直尾翼の七割を失っていたことが判っており、ボイスレコーダーの会話からも、垂直尾翼の破損により制御不能に陥ったと推測されている。  ではなぜ、事故調査委員会は、要撃説を否定するように、整備不良による圧力隔壁の破損だと発表したのか。  そこには、当時の中曽根政権が進めようとしていた、ある政策が関係している。
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