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最初の事件は、午前3時の駅前。
女子高生が手足をもがれた状態で発見された。
その少女は、家出をして行方不明になっていたらしい。売春のような事をしながら男の家を転々としていたらしい。
……後から分かった話なのだが、クラスメイトにかなり陰湿な集団いじめをしていたらしい。殴ったり蹴ったりの暴力は日常茶飯事だったようだ。
2つ目の事件は、午後3時。
被害者はシングルマザーの女性。
この女性の遺体は目立った外傷は無く、自然死にように思われた。しかし、解剖したら舌が無くなっていることが判明した。
この女性は虐待していることが近所では有名で、暴力はなかったが怒鳴り声は毎日響き渡ってたらしい。加えて、重症なネグレクトだったそうだ。
3つ目の事件は、時刻は不明。
今度の被害者は会社員の男性。
部長という立場を利用してパワハラやセクハラ、好き放題やりたい放題だったらしい。
この人物の死に方は実に奇妙で、昼休憩の終わりに他の社員がオフィスへと戻ってくると、天井から首がない状態で降ってきたらしい。あたりに血痕は無かったそうだ。
1日1人が、何かしら体のパーツを失って死んでいる。それも、彼女がいなくなったあの日から。
「私を殺してくれる?」
彼女はそう残し、学校の屋上から飛び降りた。
咄嗟に手を伸ばしたが届かず、彼女の体は地上へと落ちていく。
だが、その瞬間。彼女の体は消えた。本当に消えてしまったのだ。初めから存在していなかったかのように。
そして、地上には。
オレンジ色の百合が一輪、手向けられていた。
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