そんなの絶対、イヤだーっ

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そんなの絶対、イヤだーっ

 この間の告白のときは、ブッ飛んだ。  まさか、美依菜の口から、あんな単語が飛び出すなんて……。  僕の名前は、広瀬三津留。フツーの高校一年生だ。  少し、気弱なところがあるが、ヤルときはヤッテやる男だ――。  そして、恋愛の相手は、安藤美依菜、十六歳。同じ高校に通う、極美な女の子だ。  彼女とは、中学一年からずっと同じクラスだ。  高校になっても一緒だということは、ゼッタイ縁があるに違いない。  きっと前世からの繋がりが、僕を導いてくれているのだろう……。  僕は、美依菜に、 「好きだ。付き合ってくださいっ!」    といいたいんだ――。  が、しかし、何度挑戦しても、空振りに終わる……。    なのに、この間は、何もいえないこの僕に、 「超能力に目覚めたから、『好きだ!』っていいたいのがわかる」  だって……。  まさか、清廉潔白、――白、白、白、真っ白な美依菜から、そんな冗談が出てくるとは思わなかった……。  いや、美依菜を疑ってはダメだ。彼女が冗談なんかいうはずがないではないか――。  あれは、もしかして、本当のことなんだ。  そうだ、本当に超能力に目覚めたんだ。  そうだ、そうだ、そうに決まっているっ。  ――ということは、僕の本心は、美依菜に伝わっていることになる。  てことは、もう告白する必要はないのではないのか……?  違う、違う、違う。そうじゃない、それじゃ、僕の目標は? 決意は? 努力は? 地の底に沈んでしまうではないか――。 「うーん。あっ、そうか。テレパシーだ」  そうなんだ。僕のいいたいことがわかるというのは、『読心術』、つまり美依菜の能力はテレパシーなんだ!!  てことは、別に告白すればいいんじゃない――だって、知られているんだったら恥ずかしくなんかないのでは……。  美依菜だって、僕の口から直接聞きたいはず、そうに決まっている。  だったら……。  そういうことで、今日こそはと、学校のいつもの廊下で待った。  ――そう、僕にはわかるんだ。  美依菜のことなら全部。  もうすぐやってくるんだ。  ほらその角を曲がってすぐ、美依菜がやってくる。  やはり可愛いい!  そして今こそ、リベンジの時、    きょうはスッポンドリンク三本飲んだことだしな。壁ドン! 決めるかっ! きっと、成功するだろう――――。  よしっ、きたっ!  三津留くん、いきまーーーーーすっ。  ドン! 「よっ、安藤、好きだ。オレと付きあえ」  ――。  ――――。  ――――――。  ゲッ、あいつは、イケメン、モテ男の斉藤タケル――。  僕の勇気は、またも、くじけてしまった…………。  そして、廊下の中央で固まったまま、身体機能が停止したのだった。  ただ……よくよく考えてみれば、三年以上接していれば、超能力がなくたって、僕の思いに気づくのではないのだろうか……。  じゃあ、やっぱり、からかわれたの?  そんな……、そんなの絶対、イヤだーーーーーーーっ!!!!!
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