第1章

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タンタンタンと静かで響くこの部屋に私の足音が、ひんやり静かに 消えていく。箱の奥にはいったい何がいるのだろう 「――うっ……この香りは矛盾の混沌。予想以上に濃いな」 私とは大違いだ ガタンと箱が揺れる 私は少し驚いて後ずをさりした 「お前」 「なっ、んだ………動くなよ。」 バサバサ黒い翼が騒がしい、こいつはきっと 「天使の血」 「お生憎君の食い物ではないよ、すまないがな」 美味い物ではないぞ。 翼が消えると匂いは大分消えた、臭いとかそんなのじゃない 漂う香りの渦が私には悪影響だったのだ 「お前は?」 「ニアという。お前は確か、」 「クロ」 そうかクロ コイツは、悪魔だ―――――
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