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「相変わらずコタは軽いな。春名さんは分別のある人だから大丈夫だけど、そんなんだから女の子が勘違いしちゃうんだよ」
「だってそのほうが早く仲よくなれるじゃん。それに咲都ちゃん、いい子そうだから、もっと仲よくなりたいと思って」
野上さんがあきれたようにため息をつく。どうやらコタさんはチャラい……じゃなかった。かなり人懐っこい性格らしい。
「厨房は放っておいていいのか?」
野上さんが食べながらコタさんに尋ねると、コタさんが「残念、ただ今休憩中」と野上さんの隣に座った。
「それにしても驚いたな。ついこの間、冴島から彼女だと紹介されたばかりなのに、まさか野上と咲都ちゃんがねえ……」
コタさんが意味深につぶやく。
「ちが、違います! わたしと野上さんはそういうんじゃなくて、今日はいろいろと相談にのってもらおうと思いまして……」
そこまで言って、コタさんが笑いをこらえているのに気がつき、からかわれているのだとわかった。
「コタ、今日はまじめな話なんだよ。茶化したいだけなら遠慮してくれないか?」
「なるほど、それでふたりが一緒なのか。で、冴島がなにやったの?」
「コタ……」
「しょうがないだろう。休憩時間短いんだから、さっさと本題に入らないと」
「だったら仕事に戻れよ」
「そうはいくかよ。咲都ちゃんが悩んでいるなら俺も協力する。俺でよければ力になるよ、咲都ちゃん」
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