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認めたら想いを止められなくなる。そうなったらきっと苦しくなると思い込んでいた。
でも冴島さんはこの想いを受け止めてくれる人。それがわかったから、もうがまんしない。この気持ちを伝えるのは今だ。
「冴島さんが、わたしの気持ちを重く感じてしまうんじゃないかって、それが怖かったんです」
「咲都の気持ちが重いなんて、思うわけないだろう」
「自信がなくて。冴島さんが素敵すぎて、わたしにはもったいなくて、それで……。だけどもう大丈夫です! 自分の答えをちゃんと見つけられました。まだ不安なこともありますけど、逃げません。ずっとそばにいたいです!」
わたしが熱く語りすぎたせいで、冴島さんはきょとんとしていた。だけどすぐに余裕を取り戻し、楽しげに口角を上げる。
「今のは想定外だった。熱烈な告白だね」
「可愛げなくてすみません」
「ううん、どんな咲都も可愛いよ」
相変わらず、さらりと言ってのける。
こんな余裕を見せつけられるたびに過去の女性の影がちらつくけれど、まっすぐに見つめてくれる瞳に嘘は見えない。
わたしは冴島さんが与えてくれるものを素直に受け止めればいいだけ。信じて一緒に歩いていけばいいんだ。
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