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咲遅れた厨二病?
…よし 青だ。
信号がかわり、自転車のペダルをこぎ始めた。
丁度その時、誰かが一瞬俺の制服を引っ張った気がした。
…へ?
振り返ろうとしたその時、
真白なセダンが視界に入った。
―――キキーッ。
砂が擦れる様な音。
次の瞬間。
――― ボンッ。
自転車が空を飛んだ。
I can fly...
弾かれる様に俺も軽々と飛んだ。
(詰んだ…のか…俺?)
すぐ近くに可愛い子…驚いた顔して俺を見てる。
そうか…後数秒早かったら、あの子が…。あれ…あの子…。
全世界がセピア色のスローモーション。
(先立つ不孝をお許し下さい…。)
真っ白なセダンから、おっさんが出てくるのが見えた。
(こんな簡単に…人って死ぬのか?)
反対側で屯していた、おばさん達の顔が並んで3つのムンクの叫び…が、時計回りに逆さになった。
(…純真無垢なまま…)
どーって事はない、童貞のまんまってだけだ。
(…無念)
そして記憶もとんだ。
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