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五月二十日の月曜日、放課後のホームルームで進路希望調査票が配られた。提出は今週の金曜日。
「うーん、まだ進路のことなんて何も考えてないよ」
昼休み、お弁当を食べ終えて後のお喋りの中で、由佳里はそんなことを言いながら机につっぷした。
「私たちにはまだ早いよね」と私が言うと、由佳里は「そうそう」と全力で同意した。
そこで、ちらりと口数の少ない愛那の方を横目で見る。どういうわけか、今日の愛那は常に物思いに耽っているように口数が少ない。もしかしたら、進路のことで思いを巡らせているのかもしれない。成績のいい彼女だけど、思い返せば美容師になりたい、みたいなことを言っていたような気もする。
私たちも、将来というものを真剣に考えていかなければいかない時期になったのか。
私が生まれて、四年目。
さらも、もしかしたら色々なことを考えているのかもしれない。
だけど、さらが進路希望調査になんと記そうと、私のやることは変わらない。
これまでも、これからも。
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