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寒い日は、お豆コトコト
いきなり寒くなってきました。
寒くなると、頭に浮かぶ、憧れの光景があります。
台所(キッチンではなく、あえて台所です)のコンロには、お鍋がかかっています。
お豆をコトコトとゆでているようで、白く温かな湯気が上がっています。
時々ゆで具合を確かめます。鍋を揺すり、豆を一つつまんで指で押してみます。噛んでみます。まだ固いとなると水を注ぎ足して、またゆで続けます。部屋には、ほっこりした匂いが漂っています。豆の踊る音がかすかに聞こえます。
その間に私は、本を読んだり、編み物をしたりします。傍らにはノートを置いて、気に入ったフレーズがあったら書き留めます。思いついた文章も書いたりします。
静かで落ち着いた時間です。
そんなこと、私は既にやってそうだと思うでしょう?
それが、なかなかできないのですよ。
まず、料理を作り始めると、料理モードになるのです。あれも作っておくかと、椅子に座る間もありません。
テレビは、スイッチをつけなければいいのですが、録画したドラマを見ておこうと思いつき、見始めたりします。
先日、そのテレビを見ていたら、私の憧れの情景そのままの生活をしている方がいらっしゃいました。
神戸在住の料理家で文筆家の高山なおみさんとおっしゃいます。
『きょうの料理』に出演されていたり、『暮らしの手帖』に連載なさったりしているので、ご存知の方も多いと思います。
テレビでは、豆とゆで汁を使い、牛乳を足してミルクスープにしていました。体にじんわりしみわたる味と温かさなのでしょうね。窓からは、神戸の街並みが見えていました。夜になると、有名な100万ドルの夜景になります。それを横目に、時間はかかっているけれど手間をかけないシンプルな夕食を召し上がっていました。
まあ、意識の問題ですね。
憧れの「お豆コトコト」は、しようと思えば実現できそうです。
高山さんは、料理店のシェフを経て、料理の本などを執筆しています。
きっと、光る独自のセンスがあって、それが認められている方なのですね。
私は、主義も確固たる指針も無く、見本となる生き方もしていません。
こんな人間が、表現の自由を盾に、手軽に発信できるからと、言いたいことを書いていていいのかしらと思います。
以前「なぜ投稿しているのですか?」と問われたことがあります。
言葉に窮しました。私にとっては、自然発生的な行為だったからです。
言葉で気持ちを綴ることは、私の表現方法であり、営みです。
すらすらと文章が出てくる時もありますが、たいていは的確な言葉を探して時間がかかります。
けれど、日記に書いておけばいいものを投稿するのは、誰かに反応して欲しいのでしょうか。認めて欲しいのでしょうか。それが全く無いと言えば、嘘になるでしょうね。
納戸を整理していたら、編みかけのネックウォーマーが出てきました。
紫系の段染めの柔らかい毛糸で、編むとグラデーションになります。
この間から、続きを編み始めました。
オフタートルネックセーターの首の部分だけといった形です。
本日、でき上りました。少し編み過ぎてしまったかと思いましたが、肩近くまで覆って、温かです。お腹が冷えた時は、腹巻にもなります。
これから色々、重宝しそうです。
寒い時は「首、手首、足首」を温めると、体全体が温かくなるそうですよ。
ああ、一応有益な情報を発信できましたね。
別に肩ひじ張らなくてもいいのかな、とも思います。
まあ、日本の片隅で笑ったり怒ったりして生きている奴が、また何か言ってるぐらいに思っていてくださいまし。
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