道草つづり

おいらはドラマー⁈

　私はかなりのドラマ愛好家だ。
　ドラマは普通、3カ月1クールだ。今までは季節ごとに始動していた。それがコロナ禍で撮影が中断するという異例の事態となる。いつものスケジュールが、がたがたと崩れた。
　そして申し訳ないが、春、夏ドラマは、尻切れトンボ感が拭えなかった。制作側も忸怩たる思いがあったと思う。全国民はステイホームを余儀なくされていて、お家のテレビの前にいる。なのに、その見てもらうべきドラマが満足に作れなくて、提供できないのだから。

　さて10月に入り、秋ドラマのスタートだ。
　例年のように足並み揃えてというわけにはいかないようだ。
　けれど、夏のいつ始まったのかわからない様子見状態に比べたら、各社意気込みを感じる。そしてコロナの中、制作の対処法を編み出しているのだろう。

　朝ご飯を食べながら、録ってあるドラマを観る。朝から、だ。
　始めのうちはどれを見続けるのか決めずに、とりあえず録画している。
　いつもはＴＶ情報誌やネットで前情報を得たりするが、今期はそんなことはしていない。第1回目を見て、直感で探っている。

　『35歳の少女』
　10歳の時、事故に遭った女の子が昏睡状態に。25年後、その長い眠りから覚めてみると「誰？　このおばあちゃん」ママが白髪頭に変貌。家族の形も初恋の彼も変わっている。そして、自分の姿も。心は10歳のままなのに。
　35歳になった少女を柴咲コウさんが演じている。手放しでワンワン泣くところや、ポカンと口を開けて見上げている表情は、女の子そのものだ。
　あり得ないが奇を衒った感は無くて、物事の本質を問う感じがある。脚本を見てみると、遊川和彦氏。ああ「家政婦のミタ」「同期のサクラ」だ。

　『＃リモラブ～普通の恋は邪道～』
　会社の産業医の美々は、世の中がコロナになり、社員に口うるさく忠告し煙たがられる。職務を全うしているだけなのに。プライベートでは、孤独を感じている。見る男見る男「豚骨ラーメン」だのと食べ物に喩えて、深くは関われない。その美々がどこの誰ともわからない人とＳＮＳでやり取りを始め、心の拠り所に。その人はどうも同じ会社にいるようなのだ。
コロナの中、コロナの影響を受けていることを扱っているドラマがあって当然だよね。
　美々を波留さんが演じている。クールに見えるが実は不器用とイメージづけられていてお気の毒だが、はまっている。第1回最後、恋する女のぐねぐねした仕草に「おっ！」となって、1票！
　脚本は水橋文美江さん。「スカーレット」だ！

　『タリオ～復讐代行の二人』
　真実は新人弁護士。復讐を請け負うサイトで申し込んだ女性がお金を巻き上げられたと相談にきて、真実が担当する。そのサイトの事務所を突き止めると、黒岩という男がいた。真実は口が達者な割には、経験の浅さゆえ抜けている。黒岩は詐欺師で知恵が回るのに詰めが甘い。全然息が合わないのに、成り行きのまま二人で復讐をすることに。さらに真実は地雷を踏んでしまったらしく、事務所を辞める羽目になり、黒岩のところに転がり込む。
　真実は浜辺美波さん。夏の「私たちはどうかしている」では、浜辺さんのコミカルなところが活かされていないなあと思っていたが、この役で面目躍如。
　黒岩は岡田将生さん。胡散臭そうで事務所も雑居ビルなのにセンスの良さを感じる。嘲笑ったりニヒルに口を歪めて、性格メッチャ悪の役でも許せる。
　脚本蒔田光治氏、監督木村ひさし氏。おお「ＴＲＩＣＫ」コンビかあ。

　見始めたものを書き出すとえらい分量になるので、はしょって記す。
　あとは『危険なビーナス』（原作は東野圭吾。妻夫木聡、吉高由里子出演）、『24　ＪＡＰＡＮ』（アメリカの「24」のリメイク？　唐沢寿明出演）、『極主夫道』（夏ドラで裏社会に生き始めた玉木宏が、ついに本物のヤクザに⁉　竜一が龍で被るー）、『ＤＩＶＥＲ-特殊潜入班-』（関テレ制作のこの枠は9時台にしては、いつもハード。今回は黒い福士蒼汰くんが見物）をチェックしている。

　ネットを見てみると、感想を書き込むスペースがあったりする。
　かなり否定的、批判的な感想があって残念に思う。期待の高さの裏返しなのかもしれないが。
　まだ秋ドラマは始まったばかりで、どんな感じなのかと検索する人も多いと思う。そこでそんな感想を目にしたら、回れ右してしまうのではないか。なかなか制約の多い中、ドラマの勢いを復活させようと制作に力を入れていると思う。その中で何の労力も払ってない視聴者が、ちょっと見ただけでそんな書き込みをするのはどうかと思うのだ。

　お家で手軽に見られるのだ。どんどん見て盛り上げたい。
　悔しいことが一つ。私の視聴は視聴率に反映しないのだ！
　ドラマ制作者のみなさん。視聴率は大事かもしれないけれど、そんなの関係無しにドラマを愛している視聴者は全国にごまんといますよー！