第三章 剥き出しに 芽吹き 果肉は柔い ☆

6/19

139人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
 軽く触れられただけなのに、アイーダは、びくんっと体を跳ねさせた。 「やっ、いやっ」  褐色の指が、その先をなぞる。  「下穿きまで湿っているな」 「や、めてっ・・・・・・」  嘲笑する、ヘサームにアイーダは羞恥心でいっぱいになった。  「うっ・・・・・・」  アイーダの目に涙が滲む。  こんな卑劣な男に屈したくない。  もう一度、奥歯を噛み締めた。 「強情だな」  くちっ――。 「やっいやあああああああああッ!」  突如体の中心を襲う異物感にアイーダは叫んだ。   純潔を守る布を無視した指が、蜜を零す秘所を弄った。  棒で突き刺されるような感覚にアイーダは悪寒が走る。 「いい声で啼くな。心は初心でも体はどうなんだろうな」  侮辱する言葉に胸の奥が切り裂かれていく。  せせら笑う、ヘサームは蜜を絡めながら狭く固い入り口をかき混ぜた。   指が動く度に聞こえてくる粘着質の水音に耳を塞ぎたくなる。 「やめっ、やだっ・・・・・・いやっ、いやあっ」  無遠慮に膣内へと侵入する指を抜き去りたいのに。  体が重くて力が入らない。  なんとか手を伸ばしたが、ヘサームのもう片方の手に捕まってしまった。  (脚を閉じなきゃ)   アイーダは脚裏で踏ん張り、膝を立てようとした。  しかし、太腿はガクガクと震えて、だらしなく左右に開いてしまう。  どんなに理性を奮い立たせようとしても、本能に直結する反応は手強い。 「無駄だ」 「あうっやっいやぁっいやああああああ」  ヘサームの指が蜜口の上にある突起をぐりぐりと押し潰した。  胸に感じたものよりも強い刺激が駆け巡る。  アイーダの抵抗はヘサーム王の嗜虐心を煽るだけだったようだ。 「私なら、おまえの苦しさを快楽に変えてやれるぞ?」 「んっんんっんうぅ」  ヘサームはアイーダの唇を塞ぎ、舌で口腔内を犯す。   奥歯を食いしばり過ぎたせいで、アイーダの理性は噛み潰されてしまった。  雌の本能が飲み込む。  もう舌ですら逃げ回ることができない。  ——もう限界だった。 「た、すけて」  悪魔のささやきに堕ちた瞬間である。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!

139人が本棚に入れています
本棚に追加