3 月と影

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当時、黒藤、一歳。 俺はまだ生まれて間もない。 紅緒様は、小路の当主としての任を後継者に譲り、生まれる前の真紅嬢に封じの術をかけた。 転生の霊力を抑え込み、普通の人間と変わらないようにするほどの術を使えば、反動はいかほど大きいか計り知れない。 結果、紅緒様は眠り、その間、紅緒様の全ての霊力で真紅が護られるようになった。 現在始祖の転生と確認されているのは、真紅一人だけ。 全く存在しない世代の方が多いくらいだ。 だからこそ、知られてはいけない存在だった。 転生が生まれ落ちるとき、天変地異や、必ず何かが起きるとかいったことはない。 ただ、絶大な霊力を持った転生は、そのほとんどが当主となってきた。
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