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当時、黒藤、一歳。
俺はまだ生まれて間もない。
紅緒様は、小路の当主としての任を後継者に譲り、生まれる前の真紅嬢に封じの術をかけた。
転生の霊力を抑え込み、普通の人間と変わらないようにするほどの術を使えば、反動はいかほど大きいか計り知れない。
結果、紅緒様は眠り、その間、紅緒様の全ての霊力で真紅が護られるようになった。
現在始祖の転生と確認されているのは、真紅一人だけ。
全く存在しない世代の方が多いくらいだ。
だからこそ、知られてはいけない存在だった。
転生が生まれ落ちるとき、天変地異や、必ず何かが起きるとかいったことはない。
ただ、絶大な霊力を持った転生は、そのほとんどが当主となってきた。
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