4 彼氏役

3/80
77人が本棚に入れています
本棚に追加
/416ページ
「申し訳ないけど真紅……私の周りには、真紅の彼氏役出来る人とかは……」 「……だよね……」 やっぱり海雨は私の考えなんかお見通しだった。 いないものをいるというなら、誰かにその役をやってもらうしかない。 けど私が学内で一番近しい男子は、元凶である桜城くんだ。 「真紅、今すきな人いるんでしょ? その人が彼氏になる可能性はないの?」 「いや、黎とはもう逢えるかわからないし……」 最期の時に、と、既に突き放されている。 「れい? もしかして小埜黎さん?」 「………え?」 なんで海雨からその名前が出てくる? 私が胡乱に眉根を寄せると、海雨は、やっぱりそうなんだーと一人で納得している。
/416ページ

最初のコメントを投稿しよう!