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Side真紅
「だから服を脱げと言ってるだろうが!」
「この状況で誰が脱ぐか! 変態!」
「この状況だから言ってんだろ! 血まみれで帰る気か、バカ!」
とんでもないことを言うヤツを前に、私は自分の身体を抱きしめるようにして叫びかえす。
なんでか知らないけど、私は病院からの帰り道の林道で倒れていて、意識が戻ったら血だらけで、目の前には見知らぬ男がいて、こんな変態なことを言ってくるんだ。
まさかこいつ……通り魔とか⁉
に、逃げなくちゃ……そう思うのに、私は服を真赤に染めて、しかし立ち上がれもしない。
出血が多すぎるのか、目の前がぐらぐらしている。
そんな私の前に座り込んでいるのは、月でも切り取ったようなパッと見は美麗な男。
言っていることだけ聞いたら通報モノの不審者だけど。
私と不審者が叫び合う――この状況の理由も、実はよくわからない。
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