3時間だけの恋人6

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3時間だけの恋人6

 ◆ ◆ ◆ 「ねえ、どうだった?」  あの人と別れてから、私は一人の友達と合流していた。  開口一番、食い気味に問いかけてきたその言葉に、私はただただ控えめな声で答えた。 「う、うん……。やっぱりね、格好良かった」  思い出すと、今でも顔が熱くなってくる。  たった3時間のこととはいえ、友達にお願いをして良かったと思った。  たとえ、その手段が少々強引だったとしても。 「そう、良かった! 私も誘った甲斐があったってモノよ。だって、普段からあまり人と(つる)んだりしないしね」 「う、うん……。だから、話したりするの、凄く緊張した」  友達の言葉に同意を示すよう、首を縦に振る。  そして私は、あの人が去って行った駅の改札を一瞥する。まだそこに居たらいいのに、とそんな期待を込めた。だが、残念ながらそんなことは無く、憂いを孕んだ吐息をこぼした。 「嗚呼。やっぱり……凄く格好良かったな。〝彼女〟は」   完
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