7人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
俺は松野一松。
2つ上の兄が好きだ。この「好き」の意味は
兄弟愛とかではなく、恋愛の意味での「好き」だ。 きっといけないんだろうけど、そんなことがあってもきっとずっと好きだ。
「一松、ココア飲むか?」
「一松!たんぽぽみつけた!」
可愛い。可愛すぎる。好きだ。好き、好き。
でもこんなにひねくれた俺が今更告白なんて出来ないわけで。出来てるならとっくに言ってる。
ある日、カラ松がほかの兄弟と話しているのを見かけてイライラした。
…どうやら、俺は救われないほど性格が悪いらしい。
イライラするイライラするイライラするイライラする!
胸糞が悪い。おそ松兄さんにちょっかい掛けられて泣きそうなカラ松がいた。
…あいつの泣き顔を見ていいのは俺だけなのに!
そんなある日、俺はいいことを思いついた。
「カラ松を閉じ込めて、俺以外見れないようにする」こと。
…俺、天才かもしれない。
デカパン博士に頼み込んで、地下にシェルターを作ってもらった(自分で掘るには力が足りなすぎた)。防音の壁、厚い鉄のドア。
こんなもんか。
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
「カラ松、ちょっと来て」
「?ああ、どうしたんだ」
「こっち、こっち」
「…こんな部屋地にあったか?それにしても物騒な作りだなあ」
「…兄さん、言いたいことがある」
「な、なんだ?」
「好き。」
「……え?」
「俺と恋人になって欲しい。」
「え、え、え、そ、そんな、おれ男だし」
「…」コクン
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
カラ松は快く受け入れてくれた。
…ん?周りをキョロキョロ見てる。どーしたんだろ?
「あの、あの、ここはどこだ?早く出たいんだか」
何だ、そんなことか。
「…だめだよ、外に出たら汚いモノが目に映るかもしれないし」
「それは帰れないってことか…???嫌だ、嫌だァ、帰してくれよぉ」
泣き出した。
別に泣かせたいわけではない。悪意でやっている事でもない。只好きが故の行動だ。
「…帰してくれ!」
ドアをドンドンと叩く。だめ、だめだよカラ松。
僕以外を求めて欲しくない。
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
僕以外を求める手足なんて要らない。
「カラ松、ごめんね、ちょっとチクッとするよ」
カラ松の首すじに麻酔を打つ。
「ぁ…たしゅけてぇ…み、んなぁ…」
カラ松が倒れる。
ごめんね。
僕は、震える手でチェーンソーを握った。
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
こんな調子で、僕はカラ松の体を削って言った。
僕以外を見る目なんて要らない。
僕以外に愛を謳う声なんて要らない。
気づくと、カラ松は四肢が無くて、目に痛々しく血が滲んだ包帯を巻いて、喉からはヒューヒューとしか言えなくなった状態で転がっていた。
…あぁ、いいね。僕だけのものにやっとなってくれた!
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
最初のコメントを投稿しよう!