歪んだ愛のつたえかた

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俺は松野一松。 2つ上の兄が好きだ。この「好き」の意味は 兄弟愛とかではなく、恋愛の意味での「好き」だ。 きっといけないんだろうけど、そんなことがあってもきっとずっと好きだ。 「一松、ココア飲むか?」 「一松!たんぽぽみつけた!」 可愛い。可愛すぎる。好きだ。好き、好き。 でもこんなにひねくれた俺が今更告白なんて出来ないわけで。出来てるならとっくに言ってる。 ある日、カラ松がほかの兄弟と話しているのを見かけてイライラした。 …どうやら、俺は救われないほど性格が悪いらしい。 イライラするイライラするイライラするイライラする! 胸糞が悪い。おそ松兄さんにちょっかい掛けられて泣きそうなカラ松がいた。 …あいつの泣き顔を見ていいのは俺だけなのに! そんなある日、俺はいいことを思いついた。 「カラ松を閉じ込めて、俺以外見れないようにする」こと。 …俺、天才かもしれない。 デカパン博士に頼み込んで、地下にシェルターを作ってもらった(自分で掘るには力が足りなすぎた)。防音の壁、厚い鉄のドア。 こんなもんか。 ▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒ 「カラ松、ちょっと来て」 「?ああ、どうしたんだ」 「こっち、こっち」 「…こんな部屋地にあったか?それにしても物騒な作りだなあ」 「…兄さん、言いたいことがある」 「な、なんだ?」 「好き。」 「……え?」 「俺と恋人になって欲しい。」 「え、え、え、そ、そんな、おれ男だし」 「…」コクン ▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒ カラ松は快く受け入れてくれた。 …ん?周りをキョロキョロ見てる。どーしたんだろ? 「あの、あの、ここはどこだ?早く出たいんだか」 何だ、そんなことか。 「…だめだよ、外に出たら汚いモノが目に映るかもしれないし」 「それは帰れないってことか…???嫌だ、嫌だァ、帰してくれよぉ」 泣き出した。 別に泣かせたいわけではない。悪意でやっている事でもない。只好きが故の行動だ。 「…帰してくれ!」 ドアをドンドンと叩く。だめ、だめだよカラ松。 僕以外を求めて欲しくない。 ▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒ 僕以外を求める手足なんて要らない。 「カラ松、ごめんね、ちょっとチクッとするよ」 カラ松の首すじに麻酔を打つ。 「ぁ…たしゅけてぇ…み、んなぁ…」 カラ松が倒れる。 ごめんね。 僕は、震える手でチェーンソーを握った。 ▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒ こんな調子で、僕はカラ松の体を削って言った。 僕以外を見る目なんて要らない。 僕以外に愛を謳う声なんて要らない。 気づくと、カラ松は四肢が無くて、目に痛々しく血が滲んだ包帯を巻いて、喉からはヒューヒューとしか言えなくなった状態で転がっていた。 …あぁ、いいね。僕だけのものにやっとなってくれた! ▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
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