高級クラブの仕事を邪魔すんな

2/6
380人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
わたしと目が合い、顔が引きつりかなり機嫌を害している頼翔。 斎藤様にわたしの隣に座るよう促され、わたしの隣に座る。 何か言いたげな表情を浮かべ、その頼翔におしぼりをわたし、頼翔が好んで飲む濃さのブランデーを作って渡した。 斎藤さんがわたしに頼翔の凄さを熱弁する。 頼翔は大学院修士の頃に「サイバーハンター”を立ち上げ、卒業後に新宿区に事務所を構え、日本のインターネット関連企業で著名人が良く利用するブログであるアメパブログや、コミュニティサービスであるアメパピグをメディア関連の事業として、インターネット上のテレビ局のアメパTV事業として行っい、時代にあったソーシャルメディアサービスも提供していて、モバイルゲームの開発と配信を行っていて、SNSの運営や電子商取引サービスも行ってると詳しく話してくれた。 わたしが驚いた表情をしたからか、得意げになった頼翔。 「28歳と若いのに、起業して5年で年商1兆超えの大企業の社長になられ、本当に有能なお方です」 斎藤様が頼翔を煽てる。 風が吹けば潰れてしまうようなIT起業の社長だと思ってた。 見栄を張って、キートンの最高級のスーツを着ていると思ってたけど、頼翔は起業して本当にお金持ちになったのかもしれない。 「斎藤部長、業務提携の話を前向きに検討します。こんな素敵なホステスさんがいる高級クラブを紹介して下さりましたし、そろそろ営業が終わる時間ですね。 明日、経営企画部の方から斎藤部長にご連絡致します」 11時50分になり、話の区切りがいいところで頼翔はにこやかな笑顔で言った。 そして、 「すみません、撫子さんとアフターをお願いしたいのですがよろしいですか?」 頼翔がとんでもない事を言い出した。 「サイバーハンターの須賀社長でしたら信頼置ける方です。どうぞ、撫子をお連れ下さい」 わたしはママに笑顔でタクシーを呼ばれ、頼翔と一緒に乗って帰るはめになった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!