高級クラブの仕事を邪魔すんな

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高級クラブの仕事を邪魔すんな

「撫子、斎藤様から御指名よ」 20時半から銀座の高級クラブ 蝶々に出勤。 1時過ぎまで勤務するから二足の草鞋はきつく1日置きに勤務してる。 「斎藤様、お会いできて嬉しいです!!」 「撫子ちゃん、今日も可愛いね。 斎藤様の席につき、斎藤様の隣に座って、斎藤様と連れてこられたお客様に黒服の男が持ってきたお手拭きを広げて渡し、お酒をお作りする。 斎藤様は広告代理店で広報部長をされてる50代前半の男性で、入店してまもないわたしがヘルプで入った時に、わたしを気に入ってくれて、指名して下さるようになった。 「撫子ちゃんの清楚で上品な雰囲気、一緒にいて癒されるんだよね」 「ありがとうございます」 高級クラブだからお触りなどの行為はされない。 でもお酒が入り過ぎで口説いてくるお客様は多い。 「斎藤部長、サイバーハンターの須賀社長との接待前に呑みつぶれ無いで下さい……」 部下の3人が斎藤部長がブランデーの水割りのグラスを口につけようとするのを止めた。 「あっ、そうだった。そろそろ来られる時間だから外に迎えに行こう」 22時前になり、斎藤様が部下の3人を引き連れ、店の外に出た。 そして、わたしがよく知る顔の男にぺこぺこしながらわたしが座って待つ席に戻ってきた。
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