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(第二十五話)予告:「女の敵は女」編
裁定の雨を逃れ、かろうじて生き延びていた第一王妃ユリアル・ミサ・フェリエラと一部の王妃たちは、キャミルの去った魔界の旧魔王城に密かに結界を張りキャミルの目から逃れ反撃の機会を伺っていた。
「お金持ちで権力者でイケメンで、しかも同時に何人でも満足させることができる精力と甲斐性があるのならば、いくらでも妻を召し抱えても構わぬであろう?
やはり数に限りのあるいい男は皆でシェアすべきなのだ。
男女の関係を一対一に限定してしまっては、必ず愚にもつかない雑草でも相手をせざるを得なくなる哀れな女が現れよう。
そのような残酷な仕打ちがまかり通る世界などあってはならぬ。
自らを偽り諦め貶めて、夢や希望を捨ててまで雑草と添い遂げるなど、いい男をひとかじりする数億分の一の幸福にも及ばぬ、いや、そもそも比較するような次元の話では無いことは自明の理。
よってやはりキャミル……もとい、魔王キャミたんの蛮行は到底受け入れ難きもの。
必ずや彼奴を討ち倒し、世界に本来の姿を、ありのままに私のままで自分らしく自分を信じて、欲しいものを欲しいだけ手に入れられる、肉体も精神も解放された自由の世界を取り戻そうぞ!」
しかし絶対的求心力だったアロゥを失いもはや決して一枚岩では無い魔王城の王妃たちは、それぞれの私利私欲に基づく思惑の中、手を組み、裏切り、蹴落とし合い、阿鼻叫喚の昼ドラ泥沼地獄の様相を呈し始める。
壮絶なる内部紛争の末、生き残ったわずかニ名の王妃と共に、ついに対峙する魔王キャミたんと第一王妃ユリアル。
「ずいぶん探したぞ……正義を盾にやりたい放題の自己中メンヘラ女」
「情欲に溺れ正しい人間の姿も見失った獣の如き穢れた者たちにはわからないことだわ」
世界は、独善真面目女子と快楽実利女子の、血で血を洗う全面戦争へと突入する……。
(嘘です)
「BloodyBride [鮮血の花嫁] -とある女勇者の憂鬱-」 完
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