姫リンゴの腹の虫

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『え、なに、うそ』 『やばいやばいやばい』 『部長と二人っきりとか無理』 『緊張して死ぬ』 『死ぬ死ぬ』 『私なにすr』 『何するか分かんないよ』 『ふたりっきりって何話せばいいの』 『ちょ、なに』 『えー』  バグった私は、必死で指を動かして彩香ちゃんに矢継ぎ早に抗議する。 『いーじゃないか、チャンスチャンス(笑)』 『何がチャンスだ、てかカッコワラとかやめれ』 『せっかくなんだから千雪先輩との二人きりの時間を堪能したまえよ。とゆーわけでワイはドロンするやで。バイト先着いたのでの。じゃあの。アディオス』 (バイト先、近っ! それ以前にもう向かってたんかーい!)  思わず心のツッコミを入れずにはいられなかったが、ドロンするとかアディオスとか言うのって昭和の人だってうちのばっちゃんが言ってた。  彩香ちゃんは昭和の人だったのか!  ふははははははは。  ……………………。  ダメだ、動揺してる。  混乱もしてる。  このままじゃ無理だ。  一旦落ち着いて、物事を整理しよう。  ……………………。
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