12人が本棚に入れています
本棚に追加
一年ぶりの現世に浮かれるのは誰もが同じなのか。この墓地に埋葬され、今日という特別な日に現世へ戻ることを許された人間達は皆ソワソワしているようだ。
ボクらは大人のゾンビに混じって墓地を出た。道を進むにつれ、一人、また一人と路地に聞えていく。
最後の男性一人が角を曲がるときに声をかけてきた。
「君はひと……ふたりで大丈夫かい?」
エリーは「えぇ」と答え、ボクの翼に触れる。
「今日はデートだから」
笑顔で断言する彼女に男性のゾンビは「そっか」とだけ言葉を残し、微笑を浮かべて去って行った。
最初のコメントを投稿しよう!