アフタヌーンティー

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 店内の装飾は今日に合わせたのか、カボチャや蜘蛛の巣、魔女やミイラなどのハロウィンを象徴する飾りで埋め尽くされていた。 「好きな席に座りな」  そう声をかけて、男性は店の奥へ入っていった。    店内は、手前には8席のカウンター席と、壁際に6人掛けのソファ席が6つ。他は4人掛けのテーブル席と2人掛けのテーブル席がバランス良く配置されている。時間の所為かボクら以外の客はいない。  窓際でも飾り付けの多い壁際でも選びたい放題だ。 「エリーはどの席が良い?」 「うーん、色んな飾りを見たいから真ん中の席が良いな」  エリーの希望に合わせ、店内の丁度真ん中に位置する4人掛けのテーブルに向かって進む。 「じゃあ、ココにしようヨ!」  ボクが停滞飛行するそのテーブルは、純白のレースをあしらったテーブルナプキンが敷かれている。  席に着くのもレディファーストを忘れずに。彼女の席の背もたれを足で掴む。流石に体格差の所為かボク一人の力では人間一人が座る分の巨大な椅子は動かない。 「ンンンンン~~!!!」  力を込めて踏ん張るけれど微動だにしない。羽を全速力で動かし、力んでいると、急に椅子が軽くなった。 「あれ?」 「レディファーストの精神、確かにこの目で拝見いたしました」  不意に上から、先ほどの男性とはまた別の落ち着いた低い声が降ってきた。
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