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いつものカフェ。
いつもの珈琲が入っているであろうカップ。
そして、午後3時。
彼女は今日もまたあの席で本を読んでいる。
カランカランとベルを鳴らしながら店に入り、僕もいつもの席に着いてメニューを開く。けれど頼むものは既に決まっている。
ここへ来ると毎回頼んでいる珈琲。
それ一択。他には何も頼まない。
でも本当は珈琲が苦手なんだ。
苦くて美味しいと思えなくて、飲めたもんじゃない。ミルクをたっぷりと入れてなんとか飲めるくらいだ。
それなのに僕は珈琲を頼む。
苦手なものをわざわざ頼むだなんておかしな話だという事は自分でも分かっている。
ただ、僕が珈琲を飲むのには理由がある。
それは此処へ通うようになった理由でもある。
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