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ゴス、ゴス、ゴス。
金槌で藁人形を打ち付ける音がほとんど無人の神社に鳴り響く。打ち付け続ける彼女がちらりと時計を見ると今はちょうど午前三時。
「ふふ、あともう少しであの子は終わりだわ。四時になれば死の呪いは完成して私のミチル君を奪った報いとして死があの女を迎えに来るのよ。あんな年中クマだらけの女の何がいいのよ。うふふふふふ……あーはっはっはっは」
闇夜に笑い声が響く。
ゴス、ゴス、ゴス。
ゴス、ゴス、ゴス。
ゴス、ゴス、ゴス。
彼女は狂気的に藁人形を打ち付け続ける。
ゴス、ゴス、ゴス。
ゴス、ゴス、ゴス。
ゴス、ゴス、ゴス。
そして、打ち付け続けていた彼女が時計を見ると、時間は四時を数分過ぎていた。
「うふふふふふ……これでようやく!呪いが完成した!私の王子様を奪おうとする邪魔者のあの女を殺せたわ!」
そう言って彼女は恍惚とした表情で家路に着いた。
ーーーーー
「…………行ったかな……?」
そう呟きながら先ほど彼女が藁人形を打ち付けていた木の後ろから一人の少女が現れる。
「全く、今日もあの子は時計が一時間ずらされてることに気づかなかったのね。まだ今は三時だから呪いは完成していないのに。
でも、これでまたあの子に呪ってもらえた♡学校でまた会ったときのあの子が驚く顔を想像しながら、今日も気持ちよく寝れそうだわ。
可愛いあの子が明日も呪ってくれますように」
そう言って恍惚とした表情で少女は家路に着いた。
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