まいご?

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 次の日から、さっそく母と探しに行く。 「イタちゃーーん!イタちゃーーん!」 呼びながら、見失ったあたりを探し回る。 ブロック塀のお家の人も、私が画用紙に似顔絵を描いた「この猫知りませんか?」のポスターを張らせてくれた。 そして。。。4、5日後 イタちゃんは、私のもとに、戻ってきた!(=^・^=) (このポスターの猫…預かってる子じゃないか⁈) ブロック塀のお家に、そう言いに来た人がいたのだ。 それは片言の日本語を話す、二人の若い、金髪の男の人だった。 私が転んだ坂のすぐ近くに、モルモン教の宣教師が住むアパートが幾つかあったのだが、そこに住むアメリカ人の若い宣教師が、アパートの庭にいたイタちゃんにご飯を上げて、雨が降ったので部屋に入れてくれていたのだ。 まだ日本語がよく解らず、首輪に書いてある住所が読めずにいたらしい。 駅からアパートへ帰る道、ポスターを見かけ、絵に似ている!と申し出てくれたのだった。 バスケットをもって母と迎えに行くと、 イタちゃんは私の顔を見るなり 「ニャーーー!」 と長く鳴いた。 親切な人たちのおかげで、イタちゃんは私のことろに戻ってきてくれた。 そして、自転車に罪はないが… それ以来、私はもう水色の自転車に乗らなくなってしまった。 ごめんね、イタちゃん。ごめんね、自転車さん。。。
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