魔闘士さまは非番の時にいつもイチャついている1~形のない処方箋~

17/45
前へ
/45ページ
次へ
 そう言えば、これまでルドーニが自分に対して行ってきた態度をたどれば思い当たる節もある。  ヴァフィちゃんなどとなれなれしい口をきく、髪に手を触れる、何かにつけて体を寄せる、腰に手を回す。  酔った挙句に言い続けてきた口説き文句は、女性のような容姿を持つ自分に対する冗談ではなく、本気だったのか。  抵抗しようにも体が動かない。  ヴァフィラは眼を閉じ、唇を噛んで生まれたままの身をさらす恥辱に耐えた。  体の熱だけではなく心が発する熱も手伝って、彼の白磁の肌は淡い桜色に染まっていった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

216人が本棚に入れています
本棚に追加