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誰よりも遅く礼拝堂に現れたルドーニは、真っ先にある人間の不在に気づいた。
ぼちぼちと整列しだした仲間のひとりをつかまえ、さりげなさを装って訊いてみる。
「1,2,3、……ひとり足りないんじゃねえの?」
「ん?」
「ヴァフィラは? 姿見えないみたいだけど?」
あぁ、とさして気にも留めないような口ぶりでグランは軍服に羽織るマントを整えながら応えた。
「また体調不良じゃないのか? このところ調子が悪そうだったからな」
あ、そ。とこちらも気にしないふりをして応じたが、内心にはさざなみが立っていた。
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