逃避行

To Night

J「逃避行？」
N「そう、面白そうだろ？」
　そんな会話をしたのが、確か2,3日前だった。
乗り気じゃないわけではなかった。ただ、何から逃げるのか、何から逃げたいのか。だが、
「俺たち7人だけの逃避行」
そんな言葉の響きに感化された僕は、そんな無謀な賭けに頷いてしまった。
話しているうちにテンションがあがったのだろう。Tがテーブルにあったペットボトルを落とした。
S「何してんだよ」
笑いながらSが言う。そんな光景を僕はどこかで見たことがある。でも、ペットボトルやコップを倒してしまうことなんて割と頻繁に起こることだ。その時、僕はあまり深く考えようとしなかった。