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仕事を手伝ったのがダメだった?一緒に帰ったのがダメだった?いくら考えてもその日の私の行動に、優子が怒る明確な理由が見つけられなかった。
優子の無視が何日も続き、ようやく気付いた。私は優子の“嫌い”になったのだ、と。悲しいのか、そうでないのか自分でもよく分からなかった。でも、何かから解放されたような感覚はあったかも知れない。
その後、私は結婚を機にその会社を退職した。
他の同期の女の子から伝わってくる優子のその後は、彼女らしいものだった。
宮沢さんと結婚して寿退社したものの、一年足らずで優子の不倫が発覚し、離婚したらしい。不倫相手と同棲した後、結局はまた別の男性と結婚したらしい。
蜘蛛のように網を張り、次々と男を捕らえていく優子の姿を想像した。要らない糸は切り捨てて。
優子は、ようやくお気に入りの獲物を捕らえたのだろうか?
周り全部が普通だった私に嫌いな人が出来た。彼女を嫌いな理由なんて、“彼女が私を嫌いだから”で充分だろう。
〈end〉
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