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優子には“好き”が沢山あった。それと同じ位“嫌い”も沢山あった。ハッキリと口に出して言う訳ではなかったけれど、言葉の端々に“好き”と“嫌い”が諸に表れていた。会社の中では誰々さんと誰々さんがお気に入り、お客さんではあの会社のあの人と話すと楽しいの、と次々とお気に入りの人を見つけていた。老若男女関係なく、“好き好きオーラ”を発して懐いていき、相手にも可愛がられる、そんな感じだった。
不思議だった。同じ仕事をしているだけで、優子はどうしてそんなに“好き”が見つかるのか?目の前の仕事をこなす事が精一杯の私には、好きも嫌いもなかった。全部普通、そんな感じだった。
『Reaf』で話す時、優子は自分の好きな人、好きなものの話を楽しそうに話す。何でも普通な私には彼女が少し眩しかったし、話を聞くのは楽しかった。優子はどういう気持ちで私に話していたのだろう?自慢?優越感?そんなものも含まれていたのだろうか?
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