ゆりと真冬

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「…っ… 失礼します…!! …うわ!」 一瞬固まった拓斗は、逃げるように足をもつれさせてーー机にぶつかりながらガタガタ音を立ててーー走っていった。 ーーちょっ…今のっ 頭が真っ白… 「・・・!!!」 「ゆり、可愛い。真っ赤だ」 真冬はフッと微笑んだ。 「…嘘は言ってない。 たまにはってこの前バイクに乗せたらーー でこぼこ道で揺れて、 ゆりは俺の腰にしがみついて叫んだろ? 『うわー怖いーーーーっ』て? すごく可愛い、いい声だったよ」 湯気でも出そうなゆりは背の高い真冬を上目遣いで睨む。 「…ちょっ…あっ……あんたね……!! もう!」 「…その顔も、可愛いな」 キャーッと黄色い歓声、再び。 ゆりはゆでだこみたいに真っ赤になって真冬の腕を引っ張った。 「ちょ…もう限界… こっち来てっちゃ…」 『誘われちゃった❤』とでもいわんばかりの仕草で 微笑んでゆりに引かれていく、真冬。
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