彼女

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彼女

後悔の分岐点。 目が覚めると、あのある暑い夏の日。俺は高校生の姿で布団から起き上がった。懐かしい実家の匂い。ピコンとなったスマホを見ると守りたかった彼女からのメッセージ。〝今バイト終わったよ〟と打たれた文字によく分からないキャラ物のスタンプ。生きている彼女から送られてきたそのメッセージに涙を流した。 当時の俺は最愛の彼女を目の前の交通事故で亡くすなんて思ってもいないぐらい、浮かれていた。 彼女と俺は幼馴染みで、小さな頃から一緒にいることが当たり前で、大人になったら彼女と結婚して幸せになって、お爺ちゃんやお婆ちゃんになっても一緒にいると思っていたから。 でもその夢は、叶わなかった。 それは忘れもしない、2人で見に行った映画館からの帰り道。あの日、彼女は…。彼女の両親や俺の両親は、俺は悪くない。って言ってくれたけど、、そんなわけないだろ。俺の責任なんだから。 俺は彼女を、取り戻したい。そして一緒に幸せになりたい。だからそのために…やり直すことにした。 既読を付けたまま少しの間、携帯を握り締め、そう心に誓った。今の俺ならきっと…あの頃とは違うから、出来るはずだ。
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