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その状態で数分が過ぎた頃、遅いよ!と怒る奇妙な猫のスタンプが送られてきた。それに気付き、ごめん。と送ると、早く来てよ〜と返信が返ってきた。
俺の彼女は時間に厳しいことを思い出し…急いで仕度をして階段を降りリビングに向かった。
「美咲と、映画行ってくるわ。だから晩飯いらん。」
とテレビを見る母さんに伝えると、母さんはこっちを見ずに画面に視線を向けたまま、いってらっしゃい。と呟くようにして言った。
それを聞いてから、玄関に向かい扉を開けて外に出た。
美咲のバイト先は当時、通っていた高校の近くにある。ここから走って10分程度だった気がする。なんて思いつつ…足を伸ばし準備運動をした。自転車で行けばいいのに…と自分でも思ったが、美咲は歩き。しかも今から直行で映画を観に行く。と、なれば歩きの美咲に合わせた方がいい。準備運動を済ませると一直線に美咲のいる場所まで走って向かった。
はぁはぁと息を荒くしながら美咲のバイト先に着いた。それと同時に店から美咲は出てきたので、ナイスタイミング!と思わず言ってしまった。
「何がナイスタイミング?待ち合わせから…20分は経ってるんやで?」
と少し怒り顔の彼女に、後で何か奢るから!と手を合わせて謝ると
「じゃあ、ポップコーン奢って!キャラメル以外は認めへんけど」
「もちろん!」
その俺の言葉に嬉しそうな表情をする美咲。その笑顔が本当に好きだった。
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