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「ちょ!そんなん、ええって!」
買う気なのか、と焦る美咲に
「俺からのプレゼントってことにしといてーや。」
そう伝えると、いいのに…。と小さく呟いて黙ってしまった。無事にレジでそのネックレスを買い、美咲に渡すと、彼女は受け取れない。と拒んだ。だけど、これは彼女のために買ったもの。
「あのな?これは俺が美咲にあげたくて買ってん。いつも俺ばっかり、美咲にもらってるんもなんか嫌やし…。いつも笑わせてくれてるお礼や。受け取ってくれ。」
と、手に握らせると…嬉しそうにネックレスを握り締めて言った。
「…ありがとう…嬉しい」
微笑みを浮かべてそう言った美咲。つい、その様子に懐かしさが込み上げて来てポタポタと涙を流した。突然、流れ出した涙に驚きつつも、戸惑いながら、大丈夫なのか。と問い掛けてくる美咲の優しさに余計、涙が溢れて来た。
「お前のことは、俺が絶対に…守るから」
必ず、俺が絶対に守る。美咲だけでも、絶対に…。
ーーー絶対に守るなんて、出来やしないんですよ。だって、俺がそうだったから。その仲睦まじげな2人を透明人間のように透けた状態で俺は見ていた。
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