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「…恋愛経験がゼロ? 好子さんが? どうして? あんなにキレイなのに…」
「…だからですよ…」
「…それは、どういう?…」
「…キレイで、お金持ちのお嬢様…好子を狙っている男たちは、生まれてこのかた、数え切れないほど、大勢いたでしょう…でも、だからこそ、慎重になる…」
「…慎重になる?…」
「…高見さんも、好子と同じように、美人だから、わかるでしょうけど…大勢の男が自分に、求婚したら、どれを選んでいいか、わからなくなる…むしろ、平凡なルックスを持って、平凡な家庭に生まれた方が、選択肢が少なくて済む…その方が、自分を好きだと言ってくれる男が少ないから…」
たしかに、米倉の言葉はわかる…
好子さんは、私と同じタイプの美人だが、同時に、お金持ちのお嬢様…
好子に憧れた男の数は、平凡な家庭に生まれた、私、高見ちづるの比ではあるまい…
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