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 「…では、行きましょう…」  ハンドルを握った米倉が言った。  米倉の顔は、まだ青白かった…  先ほどまでの蒼白といっていい顔色からは、だいぶ赤みを増したが、まだまだ青白かった…  …そんなに母親のことが…  私は、考える。  米倉と米倉の姉の澄子を産んだ母親は、父の平造が、好子と新造の母親と再婚したことで、家を出た…  米倉は、以前、そう私に説明した。  そして、それは、普通に考えれば、米倉の父の平造が不倫をして、好子と新造の母親に夢中になり、米倉と姉の澄子の母親をあの豪邸から追い出したと考えるのが、妥当…  だが、本当は、違うのかもしれない…  そして、その真相を、米倉は知っている可能性がある…
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