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節分
江戸時代の暦では、節分は年内に行われていました。「江戸の季節と時間ー3ページ」を参照頂ければと思います。
まだこの「江戸あれこれ」が読んで頂けるなんて思っても無くて、ぶっきらぼうな文章ですみません。
因みに2021年の節分は2月2日
旧暦は12月21日になります。
今年は、年末になっても、まだまだコロナの心配が募るばかりですね。
そんな不安をぱーっと散らすような浮世絵がありました。
描かれたのは、安政6年(1859年)。
ころり(コレラ)の流行の為、多くの命が奪われた年です。未知なる病を退治したくて描かれたのではないかと思います。
月岡芳年「桃太郎豆蒔之図」
三枚からなっています。
右側には、新年を迎える為家に招かれた福の神が描かれています。
酒を注いでる恵比寿様と、それを受ける大黒様が、笑顔で桃太郎の豆撒きを見物しています。御膳には鯛の尾頭付き。手前の猫足膳に置かれた火鉢には、カンカンに熾った炭火が置かれ、更にその前に置かれた、灯り取りのための蝋燭の火が奥にたなびいています。
この奥にあるであろう家の前は、笑顔と豊かさと暖かさで満たされています。
真ん中で豆を撒いているのが桃太郎です。
ここから奥、特に家の中には邪気は一歩も入らせないぞ、という気迫のこもった顔で、容赦なく豆を撒いています。2枚目中心で後ろの邪気も逃げ出しています。
左にいるのが赤鬼と青鬼。赤鬼は早逃げ出し、青鬼は豆の攻撃にイテテ、イテテとなってる最中です。足の裏にも豆が張り付いて痛そうに足を上げています。(鬼の周りの豆の量の多さ)堪らず、左手が「わかったからもうやめて」の合図を送っているようにも見えます。奥にいる影にような幽鬼たちも大慌てで逃げ出しています。
江戸あれこれ年内はこれで最後かと思います。今年も本当にたくさん応援頂きまして、ありがとうございました。
どうか、どうか、来年もあなた様に沢山の幸せと沢山の良い事がありますように。
2020年12月26日
あらや
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