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季節・年齢別白粉
夏化粧
刷毛を使わず手でなじませます。
顔の中心から頬にかけて薄くのばし、手に残った白粉を首筋に塗ります。
耳の後ろと前には塗りません。
秋、冬化粧
首はとても濃く、耳の前後は濃く、顔は中くらいの濃さでぬります。
季節が進み、寒くなるほど、白粉を厚く塗る、所謂、厚化粧となりました。
享保の頃は、寒くなり血流が悪くなり顔色が悪くみえないように、紅粉を下地にしたり、白粉に少量混ぜて目の周りや頬に使っていましたが、江戸中期になると、その化粧方法は俳優、芸者に限られるようになりました。
庶民は厚化粧を嫌う様になり、塗っては拭き、塗っては拭きを繰り返すことで仕上げる"薄付に見えるメイク"が好まれるようになりました。
☆年代によるメイク方法指南☆
【14才から17才くらい】
思春期は皮脂分泌が盛んです。洗い粉で洗顔をしっかりとして、顔の熱が冷めたら白粉を塗りましょう。中くらいの濃さで良いです。首筋の足(逆三角の塗り残し)、耳の後ろの生え際はきっぱりとして、咽喉は塗らない方がいいですよ。
目のキワ、周りを濃く塗ると、鼻が低く見えて、目がくぼんで見えます。顔を濃く塗ると顔が大きく見えるので顎を2割ほど薄くすると良いでしょう。
【世帯女房】
顔を洗った後、白粉をのどから塗り、首筋、耳の後ろへと上に伸ばしていきます。顔は鼻と口の脇に白粉をおいて、刷毛で四方に伸ばします。口紅は筆できっぱりと塗ります。黄金色はダメですよ。普通の紅色をおすすめします。眉を剃ったところを手ぬぐいで拭き取ってはいけません。青みが見えるか見えないかくらいが品があって良いでしょう。
(結婚した後は女性は眉を剃ったり、抜いたりしていました。青みがかっているところに色気を感じたようです。殊更それを強調するのは上品では無いですねという事のようです)
【子持ち】
忙しいですよね。わかります。年齢を気にして厚化粧にしたり、逆に身を構わずに化粧をせずにいる事はせずに、ここは半化粧でどうでしょうか。
とあります。半化粧についての説明はなされてないようです。簡易的なメイクといわれても、もろ肌脱いでたら、赤子は乳を求めてやってくるだろうし。
(江戸時代は3才くらいまで母乳を与えていました)
はっ!もしや、デコルテ(胸元、首筋、肩周り)を塗らずに、顔だけに塗る現代バージョンだったのでは?など思いを巡らせてます。
半化粧、どんな化粧方法だったと思われますでしょうか?
喜多川歌麿 風流子宝合
あ、ああ、ああああ( ;∀;)オカアサンオキテー!!
この図のお母さんは、色白なのか白粉なのか分かりませんが、口紅は塗ってないようです。
【40歳過ぎ】
若い頃とは違って、もはや顔に艶も無く、しわはそんなでもないけれど、頬もたるみ、色艶も油気もぬけて、白粉も乗らず粉をふいてきますね。
紅粉を少し目の際に引いて顔も首もしっかり塗って、その後熱く濡らした手ぬぐいでぬぐい取り「花の露」を眉刷毛につけて塗りおちつかせます。その後、粉白粉を仕上げパウダーとして鼻、目元、額にさっとはいて仕上げます。口紅は一度つけた後、手ぬぐいで拭き取るのが良いでしょう。
40才過ぎの冒頭が辛辣過ぎて胸を抉ってきます。でもその通り。
お化粧は奥が深いですね。
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