紅2

1/1
前へ
/132ページ
次へ

紅2

口紅は、下唇は濃く塗り、上唇は(うす)くつけるのが良いとされていました。 紅は重ね付けすると緑色に見えるので「紅の色青みて光る」のは顔がきつく見える為、柔らかな印象に見える「紅淡く」塗った方が良いと指南しています。 文化十年頃から、唇を真鍮色、玉虫色に光らせる笹紅(ささべに)が流行しました。玉虫色にする為には何度も重ね付けする必要がありますが、紅は高価な物ですので庶民には真似できません。下地に墨を塗る方法が上方で考案されそれが江戸に伝えられ、一気に広まりました。 墨を塗った上に紅を塗れば、いつもの紅の量で玉虫色に光る笹紅の完成です。 幕末にはその流行も廃れ、淡い色が好まれるようになっていきました。 fa7ef1ed-b013-4341-bf1c-8b22c18bc62b渓斎 英泉 当世好物八契 国立国会図書館デジタルコレクション 今と同じように紅筆で塗っていましたが、指先(薬指、小指)でつけることもありました。その為、薬指は時に紅差指と呼ばれることもあったようです。 「丑の日に嫁の小指は紅生姜」 なんとも可愛いような、色っぽいような川柳です♡ 「お弄りでないと蓋する紅の猪口」 手を伸ばしてるのが子供なら「紅は高いからやめて~~触らないで~~~」と慌てたお母さんの様子、手を伸ばしてるのが夫ならば隠語を使った艶っぽい様子、二通りの捉え方が出来る川柳だそうです。 「唇へ反りをうたせて紅粉(べに)をつけ」 口紅を塗る時の唇の形をみられてますね(*´▽`*)
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加