江戸の化粧(タイプ別お悩み解決)

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江戸の化粧(タイプ別お悩み解決)

江戸時代の人々もそれぞれ悩みがあったようで、それに対し、アドバイスもされています。「容顔美麗考」(文政2年 1819年)から少しご紹介します。 【長きかほ】 白粉を首から耳にかけて中くらいの濃さで塗り、咽喉から顎にかけては厚く、顔は薄くすると良いでしょう。 (濃淡による小顔効果を狙っているようです) 【丸顔】 耳の後ろから首筋は中くらい、”つと”下は薄く、顔は厚く塗ります。 左右の(びん)は小さく、つとは長く、(まげ)は高い位置で作ると良いでしょう。 額を少し剃って広く見せるのも良いでしょう。 (髪型も合わせて、全体的にダイヤモンド型に見せる作戦のようです) つとは、(たぼ)とも言い、日本髪の首の上の貼り出した部分から背中にかけてをいいます。 2e9bf6b4-20ba-4073-b544-1d8ef17820a4歌川豊国 江戸名所百人名所 柳はし 国会図書館デジタルコレクション 【鼻】 高い:額と口もとを厚く塗り、鼻は薄く塗ります。 (目線を鼻から外す方法ですね。鼻が高すぎるのは受け入れられなかったようです) 低い:眉間から鼻筋にかけて油をすり込んだ後、鼻の両脇に薄紅を塗り、しばらく置いて白粉を塗り影を造ると良いでしょう。(ノーズシャドウ!!) 【目】 大きすぎる(二重):まぶた上下にとっくりと白粉を塗って、眉を少し剃ったところに紅を引き、目じりにも細く紅を指すと陽気に見えます。(陽気は、優しくと言った意味かなと思います。江戸時代は一重の切れ長の目が美の基準でしたが、大きな目も美しいと思っていました。それでもくっきり二重の大きすぎる目はあまり歓迎されなかったようです) たれ目:下まぶたより、目じりにかけて薄い紅をさし、上瞼には少しばかりつけると良いでしょう。(アイライン補正を目の下側に施す感じでしょうか) 【唇】 厚い:下唇全体に紅をひいたあと、油をつけてすり込んで肉色にした後、とっくりと白粉をぬり、その上から小さく輪郭を描いて塗ると良いでしょう。 【そばかす】 油を良く塗って厚く白粉を塗ります。かと言って、塗り壁にならないように、下地に紅を使い、その上から白粉をします。仕上げに額と頬が桜色に見えるように紅を薄く使うと良いでしょう(チークかな?)
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