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【肌の色】
色黒の人:良質の”はらや”(光沢ある白粉)を化粧水でといて刷毛でのばし、良く乾かします。
その後、白粉を中くらいの濃さで擦り付け、また乾かします。紅を掌で薄く溶き、眉刷毛で鼻筋以外に伸ばし良く乾かします。乾くと、光沢が浮き出て肌が白く見えます。生え際、耳の前後も忘れずに。
色青き人:下地に薄紅を塗りましょう(コントロールカラー)
色赤き人:高級”はらや”で光沢を。下地に紅は禁物です。
日焼け:大秘伝!!とあります。
唐の土(一番安い白粉)を乳でといて顔に塗ってそのまま就寝し、翌朝よく洗い落とす。
これを4~5日繰り返すと良いでしょう。
短期間の日焼けではなく、子供のころから長い時間をかけて日焼けをした人は30日余り続けると良いでしょう。
(なんとパックです。白粉を溶く乳は何の乳かがわかりませんでした。また分かり次第追記します)
【油かほ(脂が浮きやすい顔)】
熱い湯で良く洗って、暫く冷まします。その後、舞台粉をとっくりと塗って乾かします。手ぬぐいではなく、よく揉んで柔らかくなった美濃紙に雪の水、寒の水でといた白粉をつけて白粉を塗っていきましょう。
(美濃紙が余計な油分を吸い取る「あぶらとり紙」の役目及び手ぬぐいで肌を傷めてしまわない為の配慮かな?と思います)
【薄化粧】
①熱い湯で良く洗う。
②冷めたら白粉をよくすり込み、しばらく置く。
③濡れ手ぬぐいを絞ってさっと拭く。
④鼻の先、口の周りに白粉をすり込む。
⑤乾いたら眉刷毛で伸ばしていく。
(これを何度も繰り返すと厚化粧になっていく)
【早化粧】
①よく揉んだ紙で顔を拭く(油取り紙の役割)
②眉刷毛で粉状態の白粉をはき付ける。
③手ぬぐいに紅をつけて唇を拭く。
(やっと、私にもできそうな化粧方法が出てきました)
【風呂での白粉】
①風呂に入る時に蛤の貝殻に少量の白粉を入れ持ち入る。
②体が温まったら、それを全身にすり込む。
③暫くおいておき、洗い流す。
これを毎日繰り返すと体に沁み込み白くなっていく。
【湯上り】
①胸から、両腕、乳、腹のあたりまでさっと白粉をぬる。
(風呂場や、湯上りの白粉は、今考えると眩暈がしそうな危険な行為ですが、当時はこれが嗜みであり、良しとされていました)
白粉は、昼間見るとあまりに真っ白過ぎるように見えますが、蝋燭の灯りの中で見ると、ふわっと柔らかでちょうど良い明るさに見えます。月明かりそぞろ歩く町や、好いた相手と差し向かう。その部屋を彩る光と影までもを計算に入れた色だったと思うと、三色で最大限の美しさを表現している江戸の化粧は洗練されたもののように思います。
江戸の化粧、年齢や季節などの区別もあって、なかなかボリューミーになってしまいました💦
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
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