庶民の菓子

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庶民の菓子

饅頭の回と重複しますが、庶民の菓子を集めて見ました。 餅菓子 美人の売り子、おてつさんで有名になった”おてつ餅”、永代橋の西詰、佐原屋で売られていた”永代団子”、白あんが包まれた紅餅、こし餡の白餅の紅白餅が有名な”今坂餅”が人気だったようです。 煎餅 今と違い、小麦粉で作ったもので、岩手の南部せんべいのようなものでした。 ①小麦粉を糖蜜で捏ねたものを、一度蒸篭で蒸します。 ②それを薄く伸ばして、望みの形に切り抜き、天日干しします。 ③干し終わったものを鉄の焼き型に入れて焼いていきます。 焼く時に、鉄箸で挟んで直火で焼いて膨らませたり、焼き終わったものをぐりんと曲げたり、焼き型に模様を刻んで、出来上がりに模様を浮き出させたりと、バリエーションも様々でした。 串団子 5つ刺しが主流でしたが、明和5年(1768年)に4文銭が発行された事で、4文で買えるように、4つ刺しに変わっていきました。 辻占(つじうら) 小麦粉煎餅の中に占いの恋占いの紙片が入ったもので、和風フォーチュンクッキーと言ったところでしょうか。 茅町の遠月堂、横山町三丁目の望月等で売られていました。 菓子そのものも嬉しいのですが、ちょっとしたオマケ感も楽しさが広がり人気でした。かりんとうや、豆の袋にも、占いの紙や、役者の似顔絵を入れて売っていたようです。 駄菓子 子供達に最も身近な菓子です。 麦、稗、粟、豆、くず米を炒り、飴や黒砂糖をあしらったもので、番小屋で売られていました。雑菓子、番太郎菓子、一文で買えることから、一文菓子とも、呼ばれていたようです。 1文を握りしめた、近所の子供達のワクワクした顔が目に浮かぶようです。
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